連帯保証人をたてることができるから、保証会社へ加入しないで契約をしたい!
両方加入することが必要な理由を解説して欲しい!
こんな悩みにお答えします。
- 本記事の内容
- 連帯保証人と保証会社加入が両方必須な賃貸物件とは?
- なぜ連帯保証人と保証会社の両方を加入する必要があるのか?
- 保証会社加入時の連帯保証人の責任
- 連帯保証人か保証会社どちらか一方のみで賃貸物件を契約する方法
- 本記事の信頼性
- 不動産会社勤務7年
- トータル仲介件数1,000件以上
- 宅地建物取引士
ひろりん@hirorinfudousan
今回は賃貸物件を借りる際に、なぜ連帯保証人と保証会社へ両方加入しないといけないのか?
理由もわからないまま契約したくないという方に向けて解説していきます。
実際、連帯保証人と保証会社がどういった役割でどういった意味合いがあるのかをきちんと把握したうえで、契約する方は少ないはずです。
契約後に後悔しない為にも、きちんと知識を身に着けた上でお部屋を借りましょう!
それでは、順番に解説していきます。
もくじ
連帯保証人と保証会社加入が両方必須な賃貸物件とは?
連帯保証人と保証会社の両方加入が必要な条件の賃貸物件は実際にあります!
○家賃債務保証業者を行っている会社の設立及び家賃債務保証業を開始した年は、2006年から2010年が最も多い。また、約6割の会社が、設立と同年に家賃債務保証業を開始している。
国土交通省:参考資料
ちょうど2008年にリーマンショックがあり、失業者や非正規雇用者の増加に伴い家賃の支払いが滞ったり、連帯保証人をたてるのが困難な方が増加しました。
家賃保証会社の需要が急激に増えたのはその時からだと言われています。
なぜ連帯保証人と保証会社の両方を加入する必要があるのか?
保証会社が普及した背景はわかったけど、連帯保証人と保証会社の両方加入しなくてもいいのではないか?
当然そう思われる方は多いはずです。
連帯保証人と保証人は意味合いが違う
保証人の種類は2種類あります。
ポイント
- 保証人
- 連帯保証人
文字通り「連帯」という言葉が付くか付かないかの違いですが、意味合いは全然違います。
保証人の場合
契約者である入居者が家賃滞納などの債務が発生し、支払いが滞るとオーナーは保証人へ請求します。
保証人には、2種類の主張できる権利があります。
検索の抗弁権
「契約者には、資産があり簡単に回収できるはずだから、まずは契約者へ請求してね」と主張すること。
催告の抗弁権
「まずは契約者へ家賃を払うように請求してね」と主張すること。
このように主張されるとすぐに滞納家賃を請求することができないので、オーナーからすると手間がかかります。
連帯保証人の場合
反対に連帯保証人は上記の検索の抗弁権と催告の抗弁権がありません。
したがって、連帯保証人は契約者と同等の重い責任が課せられ、オーナーから滞納家賃等の請求があれば、すぐに支払わなければなりません。
賃貸契約時の保証人の種類は、ほぼ連帯保証人で契約するケースがほとんどです。
保証人として賃貸借契約をすると、その都度契約者へ請求してくれとか、契約者がお金を持っているからすぐ払わないと主張されるとオーナーは手間がかかってしまいます。
大変なことは容易に想像できますね。
連帯保証人と保証会社の役割
連帯保証人と保証会社の賃貸借契約上の立ち位置はどちらも連帯保証人の立場となります。
家賃滞納が発生すると、まず保証会社がオーナーに対して家賃の立て替えをします。
それから、契約者である入居者へ滞納家賃を請求します。
主に金銭的な債務を保証することになります。
保証会社はオーナーや管理会社と保証委託契約を結んでいます。
一般的に保証内容は保証会社によって内容が異なります。
ポイント
- 滞納家賃
- 原状回復費用
一般的には上記内容が保証されるケースが多いですが、免責事項で上限額を決めていたり、室内で契約者が死亡した際の損害賠償については免責事項に入れているケースも少なくありません。
連帯保証人は、契約者と同等の債務を有しますので、滞納家賃や退去時の費用が発生すれば、オーナーに対して支払い義務が発生します。
また契約者と音信不通になり安否確認する場合などは、連帯保証人に対応してもらったり、金銭的な部分以外の責任もあります。
連帯保証人の極度額の設定
2020年4月に改正された民法改正では、連帯保証人は極度額(上限額)を設定しなければ、連帯保証人としての効力が発生しなくなりました。
これから、契約締結する場合は極度額(上限額)をもとに連帯保証することになります。
極度額の設定は個人の連帯保証人のみ適用され、保証会社などの法人の場合は極度額を設定しなくても連帯保証人の効力は有効です。
極度額については、【民法改正】連帯保証人の極度額について解説。求められる対策とは?にて詳しく解説しているのでこちらもあわせて読んでみてください。
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【民法改正】連帯保証人の極度額について解説。求められる対策とは?
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誰の意向で両方加入をさせるのか
連帯保証人と保証会社の役割はわかったと思いますが、両方加入の条件を出すはいったい誰の意向なのでしょうか。
オーナーや管理会社の意向の場合
保証会社にはオーナーに対しての免責事項がありますので、免責部分のリスクヘッジのために加入を義務付けし、連帯保証人で補う場合があります。
保証会社の意向の場合
保証会社によっては、連帯保証人は必要なく、緊急連絡先の情報があれば保証契約ができるケースもありますが、保証会社の意向で連帯保証人をつけることが保証委託契約の条件にしていることがあります。
誰の意向で加入しているかは、賃貸物件の申込時に物件の申込書と保証会社に対しての保証委託申込書があります。
その際に保証委託申込書に連帯保証人の表記があると保証会社の意向とわかりますし、なければオーナーや管理会社の意向とわかるでしょう。
たまに、申込書をひとまとめにしている場合もありますので、その場合は客観的に判断は難しいです。
保証会社の意向で場合に連帯保証人を外すことは難しいですが、オーナーや管理会社の意向であれば交渉の余地はあるはずです。
交渉する場合は、申し込みした後ではなく、事前に交渉することが鉄則です。
保証会社加入時の連帯保証人の責任
さきほども説明をしましたが、賃貸借契約上は保証会社も連帯保証人の立ち位置となる為、基本の責任は変わりません。
保証会社の免責事項の部分については、全面的に責任が生じてきますし、あとは保証会社が倒産した場合も同様です。
直近の2020年に新型コロナウィルスの感染拡大の影響で倒産したのが、「(株)ジャパンレントアシストコーポレーション」です。
(株)ジャパンレントアシストコーポレーション(TDB企業コード:876016909、資本金6000万円、大阪府大阪市中央区今橋2-2-11、代表玉置克弘氏)は、7月15日に実質的な事業を停止し、事後処理を今井力弁護士(大阪府大阪市北区西天満2-8-1大江ビル4階、長野総合法律事務所、電話06-6363-3705)ほかに一任した。
YAHOO!ニュース:帝国データバンク
保証会社の倒産リスクを避けるためにも管理会社や大家さんは複数の保証会社を利用しています。
連帯保証人か保証会社どちらか一方のみで賃貸物件を契約する方法
連帯保証人のみで契約する場合
保証会社へ加入しないで、連帯保証人のみで契約する場合はありますが、募集条件で保証会社加入が必須の条件の物件であれば難しいです。
保証会社へ加入が必須の条件かどうかは、物件の募集条件を確認するか、不動産屋さんへ事前に確認しましょう。
保証会社へ加入が必須ではない物件で保証会社の加入が求められるということは、契約者もしくは連帯保証人が下記のような不安要素があるからです。
注意ポイント
- 非正規雇用者
- 無職や年金暮らし
- 就職して1年2年以内など、勤続年数が浅い
- 高齢(目安は65歳から70歳以上)
あとは、申込書を提出する前に不動産屋さんに保証会社へ加入したくない旨を伝えて、事前に相談をすることです。
重要なことは、事前に相談をする点で、一度申込書を提出して、保証会社へ加入を求められた場合は覆すことが難しくなるからです。
保証会社のみで契約する場合
こちらのケースも事前に不動産屋さんに事前に相談をすることが重要です。
申込書を提出してからやっぱり連帯保証人を立てたくないと言われると不動産屋の担当者も困りますし、大家さんに対しての印象も悪くなるためです。
あとは、保証会社加入のみの場合でも緊急連絡先の情報の提出は必要です。
これは保証会社の加入の審査時に必須項目であることが多く、緊急連絡先の情報がなければ審査ができない場合がある為です。
まとめ:連帯保証人と保証会社の役割を把握し賃貸物件を借りよう!
今回は、連帯保証人と保証会社加入の両方が必要な理由について解説してきました。
何度も言いますが、交渉や相談するタイミングは申込を出す前に事前に相談することです。
後出しでの交渉は不動産屋さんや大家さんに対して印象を悪くするだけです。
知識がない人であっても、本記事のポイントを抑えることで有利な条件で契約することができることでしょう!
最後まで読んで頂きありがとうございました。少しでも読んでくれた方に役に立てれば幸いです。
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