エアコンの設置と 原状回復義務

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【トラブル防止】賃貸物件のエアコンの設置とビス穴の原状回復義務

2020年9月18日

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賃貸物件を借りる際のエアコンの設置は勝手にしてもいいものなの?

入居時に設置したエアコンを取り外したのですが、設置の跡が残ってしまったけど原状回復しないといけないのか?

レオ

  

こんな悩みにお答えします。

  

  • 本記事の内容
  • 賃貸物件の原状回復義務と経年劣化
  • 賃貸物件のエアコンが設置されていない場合
  • エアコンのビス穴の原状回復費用が発生する場合
  • 本記事の信頼性
ひろりん
  • 不動産会社勤務7年
  • トータル仲介件数1,000件以上
  • 宅地建物取引士

ひろりん@hirorinfudousan

  

日々の生活をしていく上でエアコンは必須の設備ですが、エアコンの設置や退去時の原状回復義務についてはトラブルになることが多いです。

入居中にエアコンが故障した場合は、大家さんが修理をおこなうのか、入居者がおこなうのか。

エアコンを設置していない部屋に入居者が設置する場合、ビス穴の原状回復は入居者がしなければならないのか。

これらに関するトラブルが起こりやすい点について解説していきます。

  

賃貸物件の原状回復義務と経年劣化

賃貸物件を借りた際は、原則として借主には原状回復義務が発生します。

しかし、建物の価値は時間の経過とともに減少していくと考えられています。

  

原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損(以下「損耗等」という。)を復旧すること」

原状回復をめぐるトラブルとガイドライン:国土交通省

  

つまり、原状回復義務を入居当時の状態に戻すことではなく、借主である入居者の責任で生じた損耗等を直すことです。

長く住めば済むほど、建物の設備等は劣化していきますが、いわゆる経年劣化の部分まで入居者が費用負担することはおかしいからです。

このことをまず理解しておかないと、本来費用負担する必要性がないものまで支払うなんてことも起こってしまうので注意しましょう。

  

賃貸物件のエアコンが設置されていない場合

入居したい物件が決まった際に、エアコンが設置されていない部屋があった場合はどうすればいいのでしょうか。

まず大家さんもしくは管理会社へ確認をしましょう。

間違っても、勝手に設置するなんてことはしてはいけません。エアコンを設置する際には、壁にビス穴をあけるなど、傷をつける作業が発生するからです。

また、部屋の壁に穴が開いていなかったり、エアコン用の電源がない場合には要注意です。

エアコンを設置する際には、室内機と室外機をつなぐ5cm~10cm程度の穴をあけなければいけませんし、エアコン用の電源がなければ新設しなければならないからです。

建物に傷をつけるような工事は、大家さんや管理会社の承諾が必要となりますし、承諾なしで工事をおこなうことは契約違反になるからです。

  

取りつけができない場合

建物の構造上でエアコンの取り付けができない場合があります。

例えば、高層階やバルコニーのない部屋は、室外機を置くことができないことがあって取り付けができなかったり、鉄筋コンクリート造のマンションだと壁に穴が構造上開けれないなんてこともあります。

対処方法としては、窓枠に設置するウインドウエアコン(本体のみで室外機がないタイプ)の設置で対応ができます。

  

古いエアコンが設置されている場合

エアコンの耐用年数は約10年と言われています。

たまに、いつの時代のエアコン?っていうくらい古いエアコンが設置してあることがあります。

撤去や交換をする前に、そのエアコンが大家さんが設置したものなのか、入居者の残置物なのかを確認しましょう

その上で、交換してもらうのか、撤去をしてもらって、自分で新しいエアコンを設置するか考えましょう。

  

エアコンのビス穴の原状回復費用が発生する場合

  

原則、エアコンのビス穴の原状回復費用は貸主である大家さんの負担です。

  

原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損(以下「損耗等」という。)を復旧すること」

原状回復をめぐるトラブルとガイドライン:国土交通省

  

エアコンの設置は通常の生活に必要なものと考えられるのが一般的です。

しかし、大家さんの解釈の仕方で「通常の使用を超えるような使用による損耗・棄損」といわれるとトラブルにもなりますので、事前の確認をすることが大事です。

  

まとめ:入居する前にエアコンについて事前に確認しましょう!

賃貸物件を借りる時は、エアコンの設置や撤去を勝手におこなわず、大家さんや管理会社へ確認をとることです。

  

設置した際の退去時の原状回復をどこまでする必要があるか、退去時に撤去が必要なのかを賃貸物件を契約する前に確認をとり、入居した後にそんなはずではなかったとならないようにしましょう。

  

また、入居する交渉材料としてエアコンの新設や交換を大家さんや管理会社にしてみてもいいかもしれません。

意外と交渉したら新しいエアコンを設置してくれることもあります。

事前の確認を怠らずに未然にトラブルを防ぐことで、快適な生活を送りましょう!

  

入居中にエアコンが故障した場合の対処方法については【民法改正】設備故障の賃料減額のルール。減額交渉の仕方とは?にて解説してますのであわせて読んでみてください。

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